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フルリモート勤務会社員が拓く 地方移住の現在地

愛媛

東京の企業に所属しながら、2021年4月から愛媛県伊予郡松前町に、家族4人で移住した小松賢司さん(39歳)。
愛媛県出身の奥さんの実家から車で50分ほどの距離に松前町に住み、フルリモート勤務という形で東京の企業で働きながら、娘さん二人も含めた家族との時間、さらには地域の“緩い”コミュニティで繋がる暮らしを満喫しています。

リモートインタビューで小松さんの移住体験談を聞きながら、移住は、人生の中での優先順位を決めること、そして自然体であり続ける姿勢が大切なんだと感じました。

小松賢司
写真:移住してから始めた趣味の釣り「愛媛の人は船を持っている人が多くて驚きました」

会社に前例が少なかったフルリモート勤務

――きっかけはなんだったんですか。
小松:
奥さんの親御さんに寄り添った生活をしたいという思いから、愛媛に軸足をおいた生活を考え始めました。

運良く、奥さんの愛媛での転職先も決まったので、私もフルリモート勤務で愛媛に移住しようと。

――会社にその制度があったんですか。
小松:
在宅勤務の制度はあります。ただフルリモート勤務は前例が少なかったので、、、上司に相談するところから(笑)。とても親身になっていただきました。

私は、元々8年ほどコンサルティング会社にいて、今は戦略立案や社内プロジェクト推進などを行う職種なのでフルリモート勤務が可能だったということも大きいとは思います。

――確かに。マーケティングやコンサルティング系の職種は、むしろ今はフルリモート勤務条件でないと良い人材が集まらないという話も聞きます。
小松:
ただ、やっぱり移住した当初は、絶対に会社に迷惑をかけないように、ちょっと過剰に仕事をやったり、多めにアピールしたりしてましたね。本来なら東京に住んでいても、あってしかるべきなんですが(笑)。

現在は、業務そのものはフルリモートで何の支障もないんですが、1,2ヶ月に一度の東京出張の際に、対面での集中討議や何気ない立ち話、飲み会などのチームビルディングは意識して行うようにしています。そうすると、またリモートでもやりやすくなったりするので。

――なるほど。対面で大切なのは、案外その人間関係構築の部分かもしれませんね。
小松:
はい。東京出張週の夜は全て埋まります(笑)。

大切だった「家族が一番幸せな環境を作る」

――でも、会社に前例の少ないフルリモート勤務で、小松さん自身は何も知らない土地に移住することは不安じゃなかったですか。
小松:
奥さんがいきいきと生活できる状態が家族が一番幸せで、その環境にいることが、自分も一番幸せなんですよ。

あと、もしクビになっていたとしても、愛媛で仕事を探しているか、フルリモート勤務が可能な別の会社に転職して、うん、今の生活楽しいですよって言ってると思うんですよね。


写真:美しい瀬戸内海の夕暮れと家族

――人生における、優先順位の問題ですね。
小松:
そうですね。優先順位を決めた後は、腹をくくるというか。どこに行っても、なんとかするしかない、楽しむしかないと思ってます。

――移住から1年半が経って、いまの松前町の暮らしはどうですか。
小松:
家族との時間が多く取れるようになりましたね。通勤時間ゼロのフルリモート勤務なので、妻と娘の送迎や夕食作りも私が担当する日も増えました。義実家が近いので、育児サポートもしてもらえるし、将来的に親の面倒も見られるので安心です。

――平均的な1日のタイムスケジュールはどんな感じですか。
小松:
朝6時に起床、7時に長女を見送り、その後、次女と妻を車で送ります。

8時から仕事を始めます。基本は在宅ですが、ランチや食事の予定があるときは松山市に出てコワーキングスペースでも執事しますね。

18時頃から夕食の準備に入ります。20時頃に妻を迎えに行きます。

私が松山市に出ているときは、夕方以降は妻が家事の対応をします。

コワーキングスペース
写真:松山市のコワーキングスペースも月約8,000円という安さ

――通勤時間ゼロをフルに活かしてますね。
小松:
楽しいです。

実は松前町に家も買い、いま、ちょうど基礎が立ち上がっているところです。

松前町
写真:愛媛県松前町の田園風景

――松前町はどんな町なんでしょう。
小松:
松前町は海が近く、田園風景が目の前に広がる一方で、松山市までは電車で15分で行けて、空港からはタクシーで20分で家に着きます。

地方移住というと田舎暮らしだけを想像しがちですが、松前町のように田舎と街暮らしが両立できる地域は、移住先としてもとてもお勧めです。

コミュニティ「たてヨコ愛媛」の存在

――職場もない場所で、知り合いや友人はどうやって作っていくのでしょうか。
小松:
「たてヨコ愛媛」っていうコミュニティがあって、そこに参加して、イベントをやったり、勉強会をしたり、という活動を通じて人と繋がっていったという感じですね。

たてヨコ愛媛
写真:「たてヨコ愛媛」WEBサイト 

――やっぱり小松さんのような“コミュニケーション巧者”だからこそ馴染める部分もあるんでしょうか。
小松:
いや、僕はどちらかというと、社交性のあるほうじゃないです(笑)。僕がイベントをやるときも“ゆる募”で、同じ感覚の人たちと、少しずつ緩く繋がっていけるのが良いと思っています。

小松 賢司
「たてヨコ愛媛」コミュニティにはいろんなイベントが行われている

――あ、そうなんですね。
小松:
むしろ、いままでの自分を知っている人から見ると、“あれ、小松ってそんな、イベント立ち上げて呼びかけるようなタイプだっけ?”と思われるかもしれません(笑)。

でも、ここでは誰も知らないし、全然知らない場所だったからこそ、自然体のままで全然知らない自分になれる。今までの自分の枠に捕らわれないというか。

――なるほど。初めての土地への移住を考える人にとって、それはひとつのヒントになるかもしれませんね。
小松:
もちろん、この愛媛にそれを受け入れてくれる人と風土がある、ということも大きいですけどね。

小松賢司

――今後は、どういうライフスタイルを考えていますか。
小松:
せっかく愛媛で生活しているので、仕事以外でも愛媛になにか還元できるような活動をしていきたいと思っています。

最近は愛媛のテレワークや移住関連のセミナーなどに呼ばれる機会もいただけて嬉しく思っています。

――東京の企業にフルリモート勤務をしながら地方移住を楽しむ小松さんの経験談は、貴重なんだと思います。私もお話を聞きながら、移住の現在地を実感しました。ありがとうございました。
小松:
こちらこそありがとうございました。ぜひ愛媛でお会いしましょう。

たてヨコ愛媛

>>【気になるまち紹介】山、海、まちを前に 愛媛県松前町

>>移住の5タイプ徹底解説

取材・文:槌谷昭人



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