「住めば都」という言葉もあるように、地域の良さや魅力はそれぞれの人の感じ方です。
ただ、移住したい都道府県でアンケートをとるたびに、上位には常連の都道府県が並ぶことが多いようです。
1位:福岡県
2位:北海道
3位:長野県
4位:沖縄県
5位:静岡県
引用元:ねとらぼ調査隊「将来移住したい都道府県はどこ?」アンケート(2021年8月31日から9月7日まで)
なぜ上記の都道府県は移住先としての人気が高いのか。
各地域の特徴と魅力を解説します。
移住したい都道府県ランキングTOP10
1位:福岡県
九州で最も人口の多い都市です。九州と本州とをつなぐ交通の要所であり、朝鮮半島や中国大陸にも近く、近年東アジアのハブとしての存在感も高めています。
美味しい食べ物
博多ラーメンやもつ鍋、辛子明太子など、福岡にはご当地グルメを連想する人は多いのではないでしょうか。海の幸・山の幸が共に味わえる地域のため、彩り豊かな食生活を福岡の魅力に挙げる人は多いのです。
利便性の高い街
福岡県は、海や山など豊かな自然環境が近くにありながら、都市機能が集約された便利なコンパクトシティと言えます。商業施設や娯楽施設も多く、地下鉄や路線バスなどの交通機関も充実しています。
博多駅から地下鉄で2駅目に福岡空港駅があり、飛行機で全国各地に移動することが手軽であることも魅力の一つでしょう。
移住支援
東京・名古屋・大阪の3大都市圏から移住する人は、「移住支援金」の対象となるのもありがたいポイントです。条件を満たした世帯には「最大100万円」を支給する制度があります。
また、福岡市と北九州市は地方創生の国家戦略特区に指定されていて、雇用改革拠点としての支援も充実しています。移住先で起業したいと考えている人には、特におすすめのエリアでしょう。
比較的低い住居費
住宅情報サイトSUUMOによれば福岡県の家賃は、ワンルームマンションは3万円台から、ファミリータイプは5万円台から借りられます(2022年4月時点)。利便性の高い福岡市は家賃も割高ですが、それでも東京や大阪などの都会と比較すると格安と感じられます。
2位:北海道
北海道も、移住人気ランキングで常に上位に入る人気のエリアです。冬は寒さが厳しいというイメージがありますが、防寒の備えが万全なため、建物内は暖かく、室内温度の高さは日本一とも言われます。
大自然の美しさ
北海道は、太平洋や日本海、オホーツク海に囲まれたスケールの大きな、雄大な大自然が魅力です。
世界自然遺産の知床をはじめ、富良野のラベンダー畑、釧路湿原、さらに登別温泉などの温泉地、ニセコ町などのスキー場など豊かな自然を生かした観光地としての魅力も備えています。
食資源の豊富さ
豊富で新鮮な海産物が、都会に比べて非常に安価に手に入ります。
かに、ほたて、にしん、イクラ、シャコなど多くの魚介類を地元のスーパーで安く買うことができます。
札幌、函館、旭川などの観光都市があり、登別温泉などの温泉地、ニセコ町などのスキー場が人気です。漁獲高も日本一で、新鮮な魚介類が味わえます。
多くの収穫高を持つ野菜や、道産の精肉、乳製品もとても豊富なので、家計に負担をかけずに、食卓を豊かなものにすることができるでしょう。
人気の札幌移住
道内でも特に移住先として人気である札幌市は、人口約197万人、日本で5番目に人口が多い都市で、東京23区の2倍弱ほどの広さを持ちます。
札幌駅周辺やすすきのなど中心街には、レストランやショッピングモールなどの商業施設と発達した交通機関があり、都会と変わらない利便性がありながらも、市内から30分ほどで豊かな自然が満喫できます。
夏は梅雨がないため過ごしやすく、10月末〜3月頃まで雪が降り積もる時期にも、外は道路の除雪や凍結防止剤などの雪対策がしっかり行われており、住宅は断熱性や気密性が優れているため、快適に暮らすことができます。
生活の質が上がったことを実感する札幌移住者は多いようです。
3位:長野県
3位は長野県です。
なぜ、長野県は人気なのでしょう。
東京からアクセスが良い
長野は、東京から短時間でアクセスできることもメリットの一つです。
東京駅からは、北陸新幹線長野駅まで、約1時間30分ほどです。高速バスでも4時間ほどで長野に着きます。
高速道路交も発達していて、平日は都内で仕事、週末は長野で田舎暮らしという二地域居住をする人も多くいます。
現在の仕事を続けながら移住できることは、長野県移住の魅力の一つでしょう。
特に避暑地として人気の軽井沢は、東京から約1時間ほどの近さなので昔から別荘地として親しまれており、コロナ禍以降は「ワーケーション」の場所としても再び脚光を浴びています。
山々に囲まれた自然
南北に長い長野県は、面積のうち森林がおよそ80%を占める、自然豊かな緑の県です。
山々の傾斜や気候を利用して、りんごやぶどうなどの果物が多く栽培されていて、移住生活ではその恵みを実感することが多いでしょう。
子育て支援の充実
長野県では少子化対策を重要課題として捉え、結婚支援や子育て支援に積極的に取り組んでいます。
「ながの子育て家庭優待パスポート事業」「若者・子育て世代応援共同宣言」など長野県が行う施策に加えて、各市町村でも「奨学金返済支援補助金」や「保育園の通園バス運行の公費負担」など、特色ある子育て支援を行っています。
気になる各市町村のホームページを調べてみてはいかがでしょう。
4位:沖縄県
沖縄県は、移住先として人気のある地域です。一年を通じて温かく年間の平均気温は23度前後、最高気温が30度を超える日が年平均で80日以上もある南国の亜熱帯気候です。
有人離島も多く、どの島々に移住しても、美しい海を見ながら暮らすことができます。
沖縄ならではの魅力
琉球王国として繁栄した頃から中国や東南アジアとの貿易や交流が活発な沖縄には、ゴーヤーチャンプルー、泡盛などの食文化や三線などの芸能文化を今も大切に守り、独特の風土を誇ります。
美しい海や温暖な気候、南国の多様な動植物など、沖縄でしか味わうことができない魅力にあふれています。
スローライフ
那覇に限らず、石垣島や宮古島など離島も移住先として人気なのは、そこに流れるゆったりとした時間のなかで、おおらかなスローライフを送りたい、と考えて移住することが多いからでしょう。
観光で訪れたことをきっかけに移住を決意する人も多く、惹きつけてやまない暮らしがそこにあります。
ただし、平均給与水準は都会と比較して低く、求人数も決して多くありません。
それでいて、沖縄の生活では、車が必需品であったり、食費が安くはなかったりして、支出が思ったより下がらないケースもあります。
沖縄への移住には、自身の資金計画も含め、まずは情報収集をしながら「何を大切にする移住なのか」を決めておくことが必要かもしれません。
5位:静岡県
静岡県は日本のほぼ中央に位置し、太平洋に面した温暖な気候で、住みやすい地域として人気があります。
豊かな自然
世界文化遺産に登録された富士山をはじめ、山、海、湖、川など、豊かな自然に中心とした多くの観光スポットがあります。
熱海や伊豆など、文化の香り高い温泉地もあり、東西に長い静岡県ならではの、幅広い風土を楽しめるでしょう。
それでいながら、産業も盛んで、製造業、農林水産業、観光業など、多くの産業が地域の発展に寄与しています。
首都圏・中京圏に近い
静岡県は、日本の中心部に位置するため、首都圏や中京圏へアクセスしやすいエリアです。新幹線なら、東京まで1時間程度です。東西に長い静岡県内には、6ヶ所(熱海・三島・新富士・静岡・掛川・浜松)の新幹線の停車駅があります。
子育て支援の充実
静岡県では、妊婦や子育て中の世帯を対象に、「しずおか子育て優待カード事業」という子育て支援事業を行っています。この優待カードを提示すると、県内の様々な協賛施設などで割引などのサービスが受けられるというものです。
各市区町村でも、「こども医療費助成」や「就園奨励費補助金」など、独自の子育て支援を行っています。
また、条件はありますが、「静岡県移住・就業支援金制度」はじめ、移住・就業支援の制度も充実しています。
静岡県のサイトをぜひ調べてみてください。