移住を希望する40代の多くが直面するのは「安定した仕事に就けるかどうか?」という現実的な問題です。憧れの地方に移住できたとしても、安定的案収入を得ることができなければ、生活を長く維持することは難しいでしょう。
一方で、慢性的な人材不足に悩む地方の企業にとっては、都市部で磨いたキャリアとスキルを持つ40代は、ぜひ採用したい人材である可能性もあります。
新たな場所で挑戦できる年齢でもあると同時に、これまでのキャリアや家庭など、守るものも増えて、これからの生き方に迷うことも多い40代。
この記事では「40代が移住先の地方で仕事を見つける方法」について考えてみます。
40代が移住先の地方で就職を成功させる方法とは?
40代が移住先の地方で仕事を見つけるためには、いくつかのポイントがあります。
移住先の雇用情勢を把握する
まずは、移住を希望する地域の雇用状況を知ることから始めましょう。
地域によって、求められる仕事やスキルは異なります。その地域ではどんな産業が盛んで、今どんな求人が多いのか、自治体のホームページやインターネットの求人情報、ハローワークなどを利用して調べてみてください。
ただし、インターネット上に情報が少ないからといって、求人そのものがないとは限りません。WEBでの求人に慣れていないことから、求人募集は現地掲載のみという場合もあるからです。
気になる場合は、自治体の移住相談窓口に直接相談してみることをおすすめします。
「どんな仕事なら就職しやすいか?」「どれくらいの年収が望めるか?」など、移住先での具体的な就職相談に乗ってくれます。
現地で就きたい仕事がある程度はっきりしている場合には、移住前に必要な資格を取得するなどの準備を進めれば、就職にも有利に働くでしょう。
写真:内閣府によるウェブサイト「地方創生図鑑」
移住支援制度が適用される場合も
移住より前に仕事を検討することで、国や自治体が行っている移住支援制度が適用される可能性を考えることができます。
地域や居住年数などの条件はありますが、適用要件に“移住かつ就職もしくは仕事の継続”が条件として入っており、条件を満たせば単身者は60万円、世帯では100万円を上限に支援金が支給されます。
各自治体独自に、就労支援と共に家賃補助などの支援を行っている場合もあります。内閣府の地方創生サイトなどで詳しい条件を調べてみることをおすすめします。
40代移住と仕事のパターン
実際に40代が、移住先で仕事をするうえでは、どんなパターンがあるのか考えてみましょう。
いまの仕事を続けながら地方移住または二拠点居住
現在の勤務先がテレワーク勤務可能な場合には、勤務先を変えずに地方に移住することも可能です。
かつては「週末移住」と呼ばれたライフスタイルも、テレワークの普及に伴い、より地方での生活に比重を置いた移住ができるはずです。
ただし、二拠点の場合はそれにまつわる費用が発生すること、都心部に出る必要がある場合の交通費などは事前に確認しておきましょう。
移住前に転職をする
移住希望先の地域で企業を探し、転職先を決めてから移住する方法です。
移住先での安定収入を確保できること、新しいコミュニティに入れることなど、メリットは多い反面、現地での生活や企業の評判を知らずに仕事を決めてしまい、新生活が始まってから、イメージした生活と違った、という話も聞きます。
都心部で働いているうちに、完全リモートワーク可能な仕事を見つけて転職をすることも一つの選択肢でしょう。
移住した後、仕事を探す
地方に移住してから、仕事を探すやり方です。
先述の通り、地方には現地にしか出ていない求人情報もたくさんあります。
現地での生活に馴染んていくなかで、“こんな仕事を探しています”という相談をしておくと、人間性を知ってもらった後には、とてもスムーズに就職先が決まった、という話も聞きます。
ただ、経済面で不安が残る方法なので、資金計画は綿密に立てておく必要があります。
都会の企業と比較すると給与水準が低い場合がほとんどなので、自分が理想とする移住先でのライフスタイルが可能な収支を把握しておき、不足する場合はリモート副業などの収入源も準備できると理想です。
移住先で起業する
20代・30代に比べ、40代は年齢的に就職先が限定される可能性があります。キャリアがあることが有利に働き、管理職などのポジションでの採用もありうる一方、年齢の面で転職活動がうまく行かない場合もあります。
これまで磨いたキャリアを活かして起業するという選択肢もあります。特に最近はインターネット上で完結するビジネスも多く、地方移住が必ずしもビジネス面でデメリットになるわけではありません。
心構え
いかがだったでしょうか。
40代であっても、地方移住をするとまったく新しい生活の一年生です。
心構えとしては、その地域の暮らしに学ぶという姿勢が大切です。都市生活での収入レベルの維持にこだわりすぎず、これまで、あまり馴染みのなかった仕事に目を向けてみるのも良いかもしれません。